ここ3日間の日記(24/11/5-7)

11月5日(火)
茨城
晴、曇

前日風呂に入り忘れたので髪がべとべとしていた。朝起きた時から調子が悪く、インストーラーからの到着時間の報告が来てから慌てて着替え、家を出た。 インストーラーへの説明は思いの外うまく行き、インストーラーは丁寧に場所を見て、夕方日が沈む直前に帰っていった。 もうひとりのインストーラーは火が沈んだ後にやってきて、1時間で全ての決定を下さざるを得なくなっていてきつそうだった。 そのままインストーラーと駅前の中華で腹ごしらえをして、スーパーでスパークリングとつまみを買って家に帰った。途中のコンビニで2Lの水とサラミを買い足した。今日は彼の誕生日だった。 彼と結局深夜2時くらいまでダラダラと酒を飲みながら過去や未来の話をした。あらかた自分の過去については全て暴露してしまったはずだ。彼はボードレールの「酔いたまえ」を朗読してくれて、それがひどくよかったのに驚いた。彼が繰り返し述べる言葉には明確に意志があり、ちょっと泣きそうになった。 今日は入らないと、と思って風呂を沸かして入った。久しぶりに湯船に湯を張ったので、肩がほぐれるような感じがして気持ちよかった。

11月6日(水)
茨城、東京

朝起きて2人分のパンを焼き、蜂蜜をかけて食べた。来客用のマグカップを買っていなかったので珈琲は出せなかった。そのまま彼は東京での2限に、僕は近くにある大学での1限に出席するために家を出てすぐの交差点で手を振って別れた。 忘れ物をしていたので2限が終わってからすぐに家に帰った。家に帰ったら妙に嫌な気持ちになって、インストーラーからの連絡を待ちながら横になってうたた寝をしていた。 インストーラーたちが来て、インストールをしていった。彼らは今までのインストーラーの中で最も執拗に質問をしてきているような感じがして苦しさがあった。徐々に、僕は何をやっているんだろうというような気分が頭をもたげてきて気分が悪くなってきてしまった。 インストーラーたちとそのまま東京まで移動して、ラーメンを食べるのと書店に行くのをやった。数ヶ月前まですごく大好きだったその書店に並んでいたたくさんの本が全て何の輝きも持っていないということに気がついた。 インストーラーたちと別れて電車に乗っていると、この1年と少しの間、自分が何をやってきたのか、それにどのような価値があったのかがわからなくなって、とんでもない気分になった。歩くことはできて、正気は普通に保つこともできていたけれど、茨城に帰るための乗り換えの駅の階段を降りているときに全て崩れてしまって号泣した。あまりにも涙が止まらないもんなので、電車が来るまで時間を小さい冷えた水を買って反対側のホームを眺めながらやり過ごしたら数分で落ち着いた。 家に帰る歩き道の途中で、でもやっていくしかないんだなということに気がついてまた泣いて、その日は風呂に入ることができずにさっと着替えてそのまま逃げるようにして眠った。

11月7日(木)
茨城
晴、曇

朝起きても全然動くことができずに、インストーラーに何を渡すかも結局全く考えられないまま昼になってしまった。インストーラーから到着時刻の連絡が来てもしばらくの間、布団の中にこもってじっとしていた。約束をすっぽかすわけにもいかないので無理やり起きて、無理やり作品を作って家を出た。
インストーラーは色々なことを聴取して、かなり親切なインストールをしてくれたけれど、彼の宣言によってこの作品は全て決まることになった。
そのままインストーラーと一緒にご飯を食べて、あれこれを相談に乗ってもらったりしていた。自分がこれから抑えなければいけないことを確認して、でも結局「自分が楽しいと思うことをやった方がいいよ」と言われた。それはまぁ、その通りなんだろうと思った。楽しさが快楽と直結するものではないとしても、やることでなんらか自分が生きていけるようなことをやっていかなければ何も続けてはいけないような気がする。彼は最後のインストーラーだった。
家に帰って消費期限の豚こまぎれを消費するために豚汁を作り、それをやりながら友人と電話をした。豚汁は思いの外うまくできたので、一杯お椀にいれて食べることにした。味は少々濃かったかもしれない。
電話を切ってからすぐに寝た。気が晴れたわけではないけれど、昨日の混乱から一夜明け、最後のインストールが終わって、少し整理がついた。どういう気分で眠ったかは覚えていないけれど、目覚まし時計をかけないことにしよう、という判断があったことだけは覚えている。